カブやグロムの改善対策が9/8に届出された。
リコールは
・道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態
改善対策は
・道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態
ユーザーにすればどっちも同じ事で、迷惑な事ではありますが。
さて、今回の不具合をHONDAのホームページで確認すると
>本件は、平成25年9月12日付け届出番号「438」にて改善対策届出を行ったものであるが、新たな原因が判明したため、対象を拡大し届出するものである。
>不具合状態にあると認める構造、 装置又は性能の状況及びその原因
>燃料ポンプ内の樹脂製インレットカバーの材質が不適切なため、製造時に使用した試験油に長時間浸漬されると、使用過程において、当該インレットカバーが膨張し、インペラと干渉することがあります。
>そのため、干渉部の抵抗が大きくなり、干渉部から生じた磨耗粉がインレットカバーとインペラ間に噛み込むと、最悪の場合、燃料ポンプが停止してエンストし、再始動できなくなるおそれがあります。
*ホンダの説明図に赤で加筆
それでは3年前の不具合を見ると・・・
>不具合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
>燃料ポンプ内の樹脂製ブラケットが、燃料ポンプ製造時に使用した試験油に長期間浸漬されると、その後ガソリンを給油した際に、ガラス繊維の配向の影響により不均一な膨潤となり、インペラと干渉することがあります。
>そのため、停車中に膨潤が進んで干渉部の抵抗が大きくなると始動できなくなるおそれがあります。又は、使用に伴い干渉部分から摩耗粉が生じ、走行中に摩耗粉がブラケットとインペラ間に噛み込むと燃料ポンプが停止してエンストし、再始動できなくなるおそれがあります。
要するに
H25の不具合はブラケットの射出成形の問題でウエルドラインがきつくて、その部分が膨潤してインペラに干渉した。
H28の不具合は前回と反対側のインレットカバー側が膨らんでインペラに干渉する。
今回は材料が不適切と表現しているが、これが「そもそも材料がまずかった」のか「材料の品質がバラついていた」のか「長時間浸漬=在庫期間が長かった」のかはっきりしない。
(サプライヤーはK社かM社だと思うのでホンダの責任とは言い切れないかも)
ただ、これだけ長期間の製造車両が対象になっているのは、そもそも材料の選択ミスだった可能性もある。
たぶん、この材料はPA6かPA66(ナイロン)またはPBT(ポリブチレンテレフタレート)にガラス繊維が35%ぐらい入った、結構硬くて丈夫な材料なのだが、ガラス繊維は結構ムラに配向するので、製品の部位によってはこの配向ムラでオイルやガソリンによる膨潤量のバラつきは避けられないはず。
関係者ではないので以下は憶測。
インレットカバーもブラケットも同じ材質のはずなので、穿った見方をすると前回も今回も同じ原因で同じ問題が発生したのではないか?
国土交通省への届出に「またやっちゃいました」とは言えないので、届出書の言い回しを変えて、不具合パーツも変更にしたのではないだろうか。
中国生産の弊害だと言う人も多いが、原因は別のところにある気がする。
コストダウン最優先で、海外製(K国とか)の安い材料を使うと国内生産であっても、ばらつきが出たりする事もある。
現物を見ればもう少し断定的な事もいえるのに、なんかイライラするなぁ。。。。
以上は現物を見ていない個人の勝手な見解です。
このブログを見てバイク屋さんに文句を言ったりしないでください。
いつもご覧いただきありがとうございます。
にほんブログ村